迷子の遊園地さんは、静岡県浜松市を拠点に活動されていますが、今年「演劇団S.O.」から名称が変わりましたね。これまでの劇団の歩みを教えてください。
高校時代の演劇仲間と軽い感じで動き出したのですが、なかなか人が集まらなくて……。ようやく1997年に旗揚げ公演が出来て、そこからおおよそ年1本ペースで公演を打ってきました。
2003年に解散をしたのですが、今振り返ると「解散」でなくて「活動休止」で良かったのかなと……それまで勢いだけで来たんで疲れていたんですね。だから、演劇から離れた時間を経て新たに「演劇団S.O.」を立ち上げられた。
自分の中では「迷子の遊園地」と「演劇団S.O.」って言うのは明確な違いがあってそれぞれに愛着持ってやってきたんですけど、「迷子の遊園地」時代の作品を再演した時に、「あぁ、やっぱりこっちだ!」って。それなので、改名……というか、元に戻した感じです。
創作ペースは以前とあまり変わらないんですけど、経験値が上がったのか、ようやくやり方がわかった感じで、今は自然体で創作活動を出来ていると思います。
これまでにどのような作品を上演してきましたか?
最初の頃の作風は、今とは全然違います。今よりずっとコメディータッチな部分があって、でも全然笑い取れなくて(笑)
ただ当時から「セリフ数の少ない、でもしっかり物語と感情を伝えられる芝居を作りたい」って言っていたので、徐々にそこに近づいてきて「心地よく、冷たくて(2005年)」で一つの形を出来たと思っています。
抽象劇だの、不条理劇だのと言われたこともありますが、やりたいことやっているだけなので自分ではよくわかりません(笑)
今はメッセージ性と言うか……それまでは「自分はこうなんだ」だったのが、「自分はこうだけど?みんなはどう?」みたいな。そんな作品になってきていると思います。
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迷子の遊園地さんの作品に共通するテーマみたいなものはありますか?
テーマとは違うかもしれませんが、共通していることは「等身大で行こう」と言う事ですかね。登場人物の年齢設定とかもそうですが、例えば政治的な問題をテーマにしたとしても切り口は自分たちの実生活から、またはそこに近いところから。
大風呂敷広げると、結局は「何処かで誰かが言っていたこと」になっちゃうと思うし、それならオリジナルでなくてもいいと思うんで……。
あとは、「割り切れない感情を紡ぐ」ってことですかね。「こっちが正しい」「そっちが幸せ」「あれは悪だ」って言い切らない、言い切れない部分を描きたいと思ってやっています。だから、観終わって「あぁ、スッキリ」って言う声を聞くことはできません(笑)

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どのようなメンバーが所属されていますか?
入れ替わりは激しいので、旗揚げから残っているのは2名。20代前半のメンバーも入ってきたので年齢差は広がってきました。学生でもOKなんですが、今は全員が社会人ですね。
これは特徴的だと思うんですけど、主宰以外は全員女性です。もちろん、男性でもOKですし以前はいたんですけど……。
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「演劇365ドットコム」の読者に一言お願いします。
今現在、決定している公演はないのですが11月頃には新作を上演したいと思っています。メンバーは随時募集しているので、興味のある方は是非ウェブサイトからお問い合せ下さい。
また、ウェブサイトではこれまで上演した台本も公開していますので、そちらも是非に!
ありがとうございました。
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